2010年6月10日木曜日
ダブリンの旅 Dublin
朝8時、Gare du Nord(北駅)にグザヴィエと待ち合わせ、クザヴィエが一緒に空港(CDG)まで行ってくれる。
航空券は数日前、ネットで購入した。格安航空券を探したらEasy Jetの方が少しだけ安かったが、出発時間や荷物の料金などのことを考慮すると、AER LINGUSの方が良さそうなので、2人で379.88ユーロ(約44,500円)のチケットを買った。
10:25発の便だったが、到着便が遅れていたようで、出発はしばらく待たされ、11:00過ぎになる。
Dublin(ダブリン)到着は現地時間の11:30頃。フランスとの時差は1時間なので、約1時間半のフライト。
今回、なぜダブリンへ行くことになったのかというと、以前から、甲斐とは家族ぐるみで親交がある日本画家・秋野不矩さんの孫の陽子さんが、結婚してダブリンに住んでいて「いつでも遊びに来て!」と言っていたので、今回、フランスに来たついでに行ってみることにしたのだった。
彼女のその言葉をたよりに、彼女にダブリンを案内してもらったり、ギャラリーを紹介してもらったりするつもりで連絡をとってみたところ、すでに北アイルランドに引っ越したという。それでも陽子さんはダブリンまで甲斐に会いに行くと言うので、甲斐も、ダブリンで展覧会ができるようなギャラリーを探す為にも、一度行ってみる価値はあるといい、アイルランドへ行くことになったのだった。
空港でダブリン市内の地図を手に入れ、シャトルバスに乗り中心街へ行く。
バスの往復切符は1人10ユーロ。
陽子さんが教えてくれたバス停(O'Connell St.)で降り、予約してもらった宿(B&B "The Townhouse")を探す。
はじめは方角がわからず、とりあえず川に沿って歩いて通りの名前を地図で確認するが、分からない。近くにいた人にたずねてようやく方角がわかる。反対方向に歩いていた。
教えられた方へ歩いていくと、高く尖った塔が通りの真ん中に立っているのが見えた。地図を確認すると、それがO'Connell Street(オコネル・ストリート)のダブリン尖塔だということが分かる。
ここまでくれば、B&Bまでの道はすぐに分かった。
ダブリン尖塔の右側、Earl Street Northを入ってすぐのところにあるジェームズ・ジョイス像。店やレストランなどが多く並び、賑やかな場所。
途中、通りかかった鞄屋の前に置いてあった、大人でも入れそうな巨大なスーツケース。
陽子さんが予約してくれた宿は"TOWNHOUSE(タウンハウス)"というB&B。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの場所だった。
小泉八雲というと、小さい頃、"ハーンさん"の「怪談」をTV番組で見た記憶が甦る。シリーズでやっていたのか何だったのかは定かでないが、何度か見たような覚えがあり、いつも途中で怖くなって最後まで見ることができなかった。
甲斐は、英語を勉強するなら、ラフカディオ・ハーンの怪談を原文で読んだらいい、というが、幼い頃のトラウマがあるので、私にはその勉強法は合わないだろう。
B&Bのフロントには、この宿の看板を写真で撮ったポストカードが置いてあり、宛名面には「小泉八雲」と書かれていた。
スタッフの感じもよく、中心街にも近くてなかなか良いところ。
荷物を置いて少し休んでから、甲斐は、陽子さんに到着したことを電話する。
彼女は今回どうしても手が離せないので、残念だけど会えないということだった。
代わりに、ダブリンで有名な写真ギャラリーの場所と名前を教えてくれ、そこのターニャさんという人に会って話をするようにアドバイスしてくれる。ついでに、もし時間があれば、陽子さんの作品を扱っているギャラリーも覗いてくれたら嬉しいと言い「路地の奥でわかりにくい場所だけど…」と、ギャラリーの名前と場所を教えてくれる。
着いたばかりなので、今日は街を探索してみることにする。
私はダブリンについては全く無知なので、甲斐にまかせることにする。
甲斐は「ダブリンといえば、ジョイスでしょ。『ダブリン市民』『ユリシーズ』!」というので、空港で買ったガイドブックで調べ、ジョイス・センターがそう遠くないことを地図で確認して、歩いて行くことにする。
James Joyce Centre(ジェイムズ・ジョイス・センター)
ジョイスの部屋を再現したスペース。
「こんな大文豪でも、こんな小さな部屋で書いていたんやなあ。。。」と、感慨深げに甲斐はつぶやく。
地下に行くと、中庭のようなスペースがあり、壁面に絵や文章が書かれていた。
ジェイムズ・ジョイス・センターを出て、さらに街を散策。
Writers Museumも近いので行ってみたが、もう閉まっていた。
歩いている途中、目についたもの。
アパートの扉がいろんな色にペイントされていて、かわいい。
偶然だと思うが、前に停まっている車が扉と同じ色なのがおもしろい。
Writers Museumの隣にDublin City Gallery(ダブリン・シティ・ギャラリー)というのがあったので、ざっと見る。
シティ・ギャラリー前の広場脇にあった、歩く人の電光掲示板。
横向きの女の人が延々とウォーキングしているだけなんだけど、どういう意図があるのだろう? 前の道にはバスや乗用車がずらっと駐車してあるだけ。
オコネル・ストリートのParnell Statue(パーネル記念碑)
オコネル・ストリートを戻って、橋を渡り、対岸のレストランやパブが建ち並ぶTemple Bar(テンプル・バー)の方へ行ってみる。
陽子さんの夫マルコムさんが、"GROGANS PUB(グロガンズ・パブ)"に行ってみるといいよ、というアドバイスをくれたので、そのパブを探してSouth William Street(サウス・ウィリアム・ストリート)へ。
中に入ると甲斐はカウンターでギネスを注文し、店の一番奥のテーブル席についた。その席なら、店内が全て見渡せて、写真が撮りやすいからだ。
私はビールを飲まないので他のアルコールは何があるかと聞くと、店員は、英語ができなさそうな私をみて、口で言うより見せた方がはやいと思ったのだろう、カウンターの中に入って来い、と手招きした。少し戸惑ったが好奇心もあり、カウンターの中に入ってついていくと、冷蔵庫をガバッと開けて見せられ「どれがいい?」ときかれたが、お酒のことはよくわからないので、適当に無難そうな瓶を指さした。
甲斐が座っているテーブルに持って行くと、「あ、スミノフ(ウォッカ)にしたの? 昔はよく飲んだなァ」と言う。ギネスは味が薄くて期待通りではなかった様子。
隣に座ってガイドブックを広げていたアメリカ人(?)のおじさんが、私たちに向かって、壁にかかった絵を指さして「これ、300ユーロだって!」とおどけて言った。それは、新聞紙にクレパスかマジックで、どうみてもグチャグチャにしか見えない線で描かれたものだった。
店内を見回すと、他にも色んな素人風の絵が飾ってあり、値段がつけられている。
フロアの真ん中の柱に貼ってある貼り紙をみた甲斐がいうには、この店は、アーティストを支援するための運動をしているらしい。
地図上には、このパブの近くに「凱旋門」と記してあるので、見に行くことにする。
行ってみると、公園の入口になっているらしい、こぢんまりした凱旋門が建っていた。
セント・ステファンズ・グリーン入口の凱旋門
賑やかなGrafton st.(グラフトン・ストリート)
通りかかったパブの前に、ものすごい人だかりができていた。有名なところなのだろうか。
Trinity Collegeの前を通り、途中の店で夜食用にパスタと、さっき飲んだスミノフと青いアルコールの瓶の二本を買い、B&Bに戻る。