2010年5月31日月曜日

絵画修復アトリエ/黛まどか講演会

コリーヌさんの友人のシルヴィーさんは絵画の修復の仕事をしており、前から彼女が「アトリエを見に来て」と言ってくれていたので、訪ねていく。

バスティーユの近くの古い建物の一室にある絵画修復のアトリエ。
シルヴィーさんの他には、若いスタッフが二人いた。
教会などいろんなところから数百年前の絵画の修復の依頼があるそうだ。




コリーヌさんからメールがあり、「夕方6時から、天理日仏文化協会で黛まどかさんの俳句の講演会があり、通訳をするのでよかったら来て下さい」というので、ききにいくことにする。

黛さんは微妙なニュアンスの日本語を使うので、コリーヌさんは通訳しにくそう。
日本人にとっては易しい内容だったが、フランス語に訳すのは大変だろうなあ、と思う。
フランスでも俳句をするそうだ。フランス語では五・七・五の韻律はどうするのだろうと疑問に思ったが、ききそびれる。


講演会の後、少し会場でお酒をいただいていく。

今晩から甲斐は呂さんのアパート(12区)に泊めてもらうことになったので、メトロDaumesnil(ドメニル)駅で呂さんと待ち合わせ、アパートに案内してもらう。
とても豪華なところ。
台所、洗面所&お風呂場、ダイニングルーム、広いサロン、そして寝室が2部屋ある。そこに甲斐は泊めてもらえることになる。
ひと通りアパートの中の説明を受けた後、呂さんと食事に行くことにする。
この前までお世話になった村澤さんも呼んで、4人で近くのスペイン料理を食べに行く。

2010年5月30日日曜日

ソラちゃんとの一日


朝、牛の鳴き声で目覚める。
外に出ると、甲斐が牛の写真を撮っていた。近づくと牛たちにジーッと見つめられる。


午前中は樹齢400年程のオークの森に行く。
ギランさん、イザベル&ドニさん、ジャン・ベルナールさんの息子アキト君が犬のカラスと一緒に来る。


昼はジャン・ベルナールさん家族もきて一緒に食事をする。ソラちゃんが食後のデザートに、庭のサクランボの木からサクランボをたくさん摘んできてくれる。


話している最中に、ジャン・ベルナールさんが急に甲斐の肩をもみだした。するとジャン・ベルナールさんの肩をギランさんが叩き、その後ろにアキト君、その後ろにはソラちゃんが、次々と前の人の肩叩きをはじめた。


食後の運動にソラちゃんと卓球。
この後、さらに私はサクランボ摘み競争、鬼ごっこ、ブランコ、とソラちゃんの遊び相手をする。朝から隣の犬・ワンダ(白いラブラドール?雑種?)がひとりで遊びにきていて、つきまとってくる。ソラちゃんと鬼ごっこをしていると、自分が遊んでもらっていると思ったのか、とびついてきた。
久しぶりに子どもや犬と一緒に遊び、心から楽しむ。


ワンダは牛にまでちょっかいを出して遊んでいる。


ソラちゃんと遊び疲れ、少し休もうと自分の部屋に戻ったが、すぐにソラちゃんが呼びにくる。10分だけ休ませて、というと、「わかった」と言って出て行ってくれたが、数分たつとまた呼びにくる。「あと5分」「わかった」と言ってもすぐにくる。数回それを繰り返し、結局あまり休めなかった。

ギランさんとソラちゃん、甲斐とで近くの城を見に行く。
そこの城主はギランさんの兄が知り合いらしく、昨日は電話で連絡がとれたが、今日は連絡とれず。ガイドブックには載っていない城だが城主のOKがあり、誰もいなくても外から見るだけならいいそうなので、見に行くことにする。
ボロボロの建物の中に、フランスで一番古いというブドウの圧搾機が置いてあった。



城の外の敷地に一頭の山羊がつながれているのをソラちゃんが見つけ、さわりにいく。


ソラちゃんを家に送りに行き、ジャン・ベルナールさん、ケイコさんに挨拶をする。
ジャン・ベルナールさんは甲斐の写真を1枚買ってくれた上に、家の隣に建てている彼自身が設計したアトリエを見せてくれる。彼はかなり大掛かりな彫刻作品を作る現代アーティストだった。今度、日本でも展覧会をしたいそうで、そのカタログを作るときは私に手伝ってほしいともいってくれる。

8時半頃、ギランさんの家を出てまたギュウギュウ詰めの車で出発。
10時半頃パリに着く。
途中、ダイアナが事故死した道も通る。


ドニさんはグザビエの家まで送ってくれる。
グザビエとファビアンヌにはお土産にもらった1943年のワインをプレゼントして、みんなで飲む。
先週、本屋「La Chambre Claire(明るい部屋)」に置いてもらった甲斐の写真集が、もう全部売り切れたとグザビエからきく。

2010年5月29日土曜日

ワイン天国

朝、近くの村(La Chartre-sur-le-Loir)まで買物に行く。
野菜は直接野菜農家へ。新鮮な野菜を畑からとってみせてくれる。
花屋でラベンダーの株も買う。


買物の帰りに、ギランさんのブドウ畑に連れていってもらう。
小さいブドウがついている。1株にこれくらいの量がちょうどいいのだそうだ。


ブドウ畑には必ずバラの花が植えてある。土の病気を知るための目印になるのだとギランさんが教えてくれる。


ブドウ畑から見える景色。すぐ下には城があった。
ギランさんの車は66年型の祖父の車。ガソリンを入れに行ったとき、メモを見ると、その前にガソリンを入れたのは一年前だという。


家に帰って外のテラスでお昼にする。
食べている最中に雨が降り出した。


午後、昨日会ったジャン・ベルナールさんの甥、ジャン・マリさんの店に行くと、まずは2008年のワインを出してくれる。奥の倉庫なども見せてもらい、最後には1943年もののワインを出して来てくれる。この年は、戦争で男性がいなかったので、女性が作った珍しいワインなのだという。瓶の底も少し変わっていて、ものすごく中の方に凹んでいる。
ギランさんが頼むと、ジャン・マリさんはそのワインを私におみやげとしてくれた。
値段がつけられないほど貴重なワインをもらって緊張する。


帰りにジャン・ベルナールさんの家に寄る。
壁一面の作り棚にはいろんな形の石や置物が飾ってある。ケイコさんが、その中のひとつを甲斐に渡して、「これ、うちのカーブでとれた1億年くらい前の貝の化石」と言って甲斐におみやげとしてくれる。


今晩は本格的に飲もう、というギランさんの言う通り、またジャン・ベルナールさんのカーブにみんなでグラスを持ち込んで入って行く。今日は甲斐が写真を撮りやすいように、樽の上にろうそくを灯してカーブの中を明るくしてくれた。


ワインを注いでくれた時は何年のものかは言わず、味をみながら他の皆はそれぞれ「これは何年のものだ」と言っている。たしかに全部味は違うが、私にはそんなワインの知識は全くないので黙って美味しく飲ませてもらう。
覚えている限りでは、1991年、1903年、甲斐の生まれた年の1949年、1985年、そして私の生まれた年のものも出してくれた。その年は、ジャン・ベルナールさんがはじめてワインを作った年だというので思い入れが深いようだ。


極めつけは1834年のワイン。
ケイコさんが「これはHATAOさんには内緒よ!」と何度も言い、みんなで1〜2滴ずつもらう。
最後は1989年ものもいただく。まさにここはワイン・パラダイス。


カーブを出て、ジャン・ベルナールさんの家で皆で食事。
1976年のワインと、ホワイトアスパラのリゾット、鶏肉の煮込み、山羊のチーズなど、美味しい料理をお腹いっぱいいただく。

2010年5月28日金曜日

Loire(ロワール)



今日からフランス西部・ロワール地方のギランさんの田舎に行くことになっている。

午前中は、甲斐が携帯の充電器をなくしたというので買いに行き、モンパルナスに住むギランさんの友人・ドニ&イザベルさんの家まで、グザビエが一緒に行ってくれる。
イザベルさんは画家(油絵)で、ドニさんは木の彫刻家。白くてとてもきれいな広いアパートに住んでいて、部屋にはイザベルさんの作品やドニさんの彫刻や彼らの友人の作品がセンスよく並べてある。こんな家に住みたいな、と思えるような家だった。

イザベルさんが作ってくれた美味しい昼食を食べてから、ドニさんの運転で4人乗りのセダンに5人で乗って、ロワールのギランさんの田舎の家へ向かう。

ぎゅうぎゅう詰めの車の中で、西川さんから電話がある。ギャラリーで写真が2枚売れたといういい知らせだった。

途中の道でいちごを売っていたので、ギランさんたちは2パック買う。たしか2パックで3ユーロだった。安い。アスパラもたくさん買う。


Château de Chaumont sur-Loire(ショーモン城)の庭で20人の現代アーチストの展覧会をやっているというので見に行く。





途中の村で、今晩の食料(肉、チーズなど)を少し買う。
その村にあった古い共同の洗濯場?


ギランさんの家があるのはCourdemancheという小さな村。
まずは、ギランさんの隣人、ジャン・ベルナールさんの家に行く。
ジャン・ベルナールさんの奥さん・ケイコさんは日本人。車を降りると茶色のラブラドール(名前はカラス)がかけよってきて、甲斐がフィルムを入れ替えようとした途端、そのフィルムをくわえて持って行ってしまう。
ジャン・ベルナールさんの子どもたち(アキト君、ソラちゃん)が犬を追いかけてフィルムを取り返してくれるが、戻って来たフィルムには犬の歯型がつき、へこんでしまってフィルムが巻けなくなってしまっていた。

ジャン・ベルナールさんのワインカーブに招待してくれる。
中はヒンヤリしていて真っ暗な洞窟。入口近くには樽が並んでいるが、奥は迷路のようになっていて、1つ1つの穴がひとつの部屋のようになっていて、埃をかぶった年代物のワインが山のように積まれていた。
「パラダイスへようこそ!」とギランさんが言った。
カーブの中にグラスを持ち込み、まずは2008年の白ワインをいただく。2008年でも収穫時期が違うものをそれぞれいただくと、同じ年でも味が違うことに気づく。
次に甲斐の生まれた年・1949年のワインをいただく。
こんな美味しい白ワインを飲んだのは生まれて初めてだった。
「毎年HATAOさんがここへ来る理由がわかったでしょ?」とケイコさんが言ったが、確かにこんなワインが飲めるのなら、毎年来たくなるはずだ。



今晩は少し遅いので少しだけにして、明日は本格的に飲もう、とギランさんが言い、ギランさんの家に行く。
ジャン・ベルナールさん家族が持って来てくれた食料で、みんなで食事する。

2010年5月27日木曜日

Amsterdam(アムステルダム)

ライデンをあとにして、アムステルダムに向かう。

アムステルダム駅。
手前にはトラムの駅がある。トラムに乗ってゴッホ美術館まで行く。


ゴッホ美術館。
ゴッホの作品だけでなく、ゴッホ周辺の画家たちの作品もあり、とても興味深い。


ゴッホ美術館近くの広場。


レンブラント美術館にも行く。


歩いていると、道に変なマネキンが立っていた。インパクト大。


アムステルダムのメイン通り


遠くからみるとアラビア文字かと思ったが、近くでみると男女の図。


怪しい店が並ぶ通り。さすがドラッグが合法の国だけあって、堂々とこんなことを書いている店もある。
この辺りの通りはレストラン、バー、ポルノショップ、ドラッグショップが建ち並んでいる。少し横道に入ると、娼婦街もある。飾り窓から娼婦も見えた。


パリ・北駅に無事到着。着いた時はまだ雨が降っていた。出迎えにくる人、スーツケースをもって電車を降りる人が行き交う。夜のライトがきれいだった。


北駅の中。逆立ちしてスケートボードに乗っている人がいた。

2010年5月26日水曜日

シーボルトハウス(SieboldHuis)/エルスケン写真展


午前中、まずはディックさんと一緒にライデン大学に行く。甲斐とも知人であるディックさんの友人の研究室にあいさつに行くが、留守だった。
10:00、シーボルトハウスの館長・ハンスさんに会う。まずは館内を説明しながら案内してくれる。
シーボルトハウスは素晴らしいコレクション。よくこれだけのものを集められたものだ。動物、植物の収集品は日本にとっても貴重なものばかり。シーボルトが日本から持ち帰った植物はオランダの景観を変えたとも言われているそうだ。

このシーボルトハウスの最上階の部屋で、2012年6月半ば〜8月半ばの2ヶ月間、甲斐の写真展をすることになった。
カタログを日本語・英語・オランダ語で作るか、ディックさんが日本論を解説に書いてくれるか、どんなテーマにするか、写真のサイズや点数はどうするかなど、詳しいことは今後ゆっくり決めるとして、とりあえず日程を押さえておく。

打ち合わせの途中から、次期館長のディックさんも参加する。今の館長は来年東京へ行くことになっているそうだ。次期館長のディックさんも以前、京都に住んでいたことがあり、流暢に日本語を話す。甲斐の展覧会をする時は、このディックさんにお世話になる予定。

打ち合わせ後、ディックさん、館長、次期館長らと5人でお昼を食べに行く。


午後は、ディックさんが車でロッテルダムまで連れていってくれる。
Las Palmasという美術館でエルスケンの写真展"TOKYO SYMPHONY-東京シンフォ"(と日本語で書いてあった)を見る。3つの大画面に写真を投影し、音は別に録音したものを同時に流していてとてもおもしろい見せ方だった。
館内はとても現代的。いろんなアートシーンを見て体験して楽しめるところ。映像関係の美術館なのかな?
ここではよく、興味深い写真展をやっている、とディックさんが教えてくれた。

一旦ディックさんの家に戻り、テイクアウトのインドネシア料理を買ってきて夕食にする。
インゲさんはサッカーか何かの中継で通訳の仕事のため、留守。


今の季節は夜10時すぎまで明るいので、食後の散歩がてら、8時頃から市内見物に行く。
歩いていると、すぐ近くの路地に画家・レンブラントの生まれた家があった。その家の前の広場には、キャンバスを前にしてレンブラントの子ども時代を形どったような像が立っていた。

ライデンの街並はこぢんまりしているがとてもきれい。



普通のアパートの扉をあけてディックさんが入って行くのでついていくと、そこはきれいな中庭を公開しているアパートだという。
ライデンには、こういう風に中庭を公開しているところがいくつあるそうだ。



ライデンの城跡。



道路に描かれたピクトグラムもおもしろい。



前籠がない自転車が多かったが、自転車の後ろにはいろんなデザインのフタ付きカバンをつけている。このカバンが欲しくなる。



新ライン川と旧ライン川の合流地点。



夜はディックさんお勧めの日本酒で誕生日を祝ってくれるが、実は風邪気味で味がほとんどわからなかった。もったいないことをした。