2010年5月18日火曜日

パリの八文字屋/クリストフの店(11区、バスティーユ近辺)


午前中、グザビエの家の近くのProcessusというラボにフィルムを買いに行く。店内にはまとまった本数がなかったのでコダックのトライXを50本、プラスXを50本注文する。明日、届くらしい。とりあえず、今日の分を5本ずつ買う。その後、甲斐はギャラリーへ。私はグザビエの家でPC作業。ヴェルニサージュ(オープニングパーティ)の時の映像をアランさんが送ってくれたので、それをYouTubeにアップしてほんやら洞のホームページにリンクさせる。Dairymotionにもアップする。

西川さんから電話があり、アラン・ルマットさんの伝言で、今日の夕方、彼の知人のヴェルニサージュがあるので時間があったらきてほしいと住所を渡された、ということを伝えられる。SMSでその場所の住所を教えてくれる。9時から久田舜一郎さんのライブもあるから来ないかとも言われる。

17時頃、グザビエと一緒にバスティーユ近くのクリストフの店へ向かう。
途中の道の上で、破れた藤の籠がおいてあり、ヒモにつながれた灰色の猫が通行人にすり寄っている。おもしろがって写真を撮っていると、グザビエがその猫がつながれている店の中に入って行く。そこは名物おばあちゃんがいるバーだった。グザビエは「ここはパリの八文字屋です」と言う。入った途端、ハエがブンブン飛び交い、動物の糞のニオイがする。よくみると、カウンターの椅子の後ろに鳥籠が並べられ、インコを飼っていた。
甲斐は「パリの八文字屋」だと言われ、自分の店がこんな風に思われているのかと少しショックを受けたようだった。
シワだらけで頭が真っ白のおばあちゃんが出てきて、甲斐がカメラを向けようとすると「写真を撮るな!」とピシャリと言われた。甲斐とグザビエはビール、私はオレンジジュースを1杯ずつ飲んで、甲斐の展覧会のフライヤーを置いて出る。この店は、この周辺では有名で、アーティストたちのたまり場らしい。



名物バーを出て、バスティーユへ向かう。崩れそうな大きな壁に絵が描いてあり、それは昔の広告だという。



クリストフの店にもうすぐ着くというところで、ギャラリーのようなところに人が集まっているのが見える。甲斐が写真を撮っていると、その中の一人がアラン・ルマットさんだった。しかも、クリストフの店はそのギャラリーの斜め向かい側で、ものすごい偶然に驚く。


とりあえず先にクリストフの店"Brutal's"に行く。(13 rue de la Forge Royale, 11e)
店は画商ではなく、古着屋だった。ジーンズが主に置かれていて、仕立て直しをするような台もある。壁にはインドかどこかアジアの女性の写真が飾られている。彼は前から、バライタのプリントを欲しいと言っていたので、バライタを買ってくれるものと思って訪ねたのだが、いろいろ見せた後で、この店で一日だけ甲斐の写真集や写真を並べたフェアをやるというので、少し拍子抜けする。土日は人通りが多いそうだが、この店で写真や写真集を買う人がいるのかどうか。とりあえず、彼はやる気なので、それでいいとOKする。



クリストフの店を出てから、向かい側のアラン・ルマットさんの友人の展覧会を覗く。



バスティーユから帰る途中、Charonneの近くでグザビエの友達・ホームレスのKikiに会う。キキはとても人なつこく、ドンドン写真を撮ってくれ、といろんなポーズでアピールしてきた。



甲斐は今日から龍谷大から研究のために4月からパリに来ている村澤さんの家に泊めてもらうことになっているので、グザビエも一緒にメトロのサン・ジャック駅近くの村澤さんの家まで送っていく。
メトロの中で、鼻や耳や眉毛や口にたくさんピアスをあけた男性が、黒い大きな犬を連れていた。甲斐が写真を撮りたそうにしていたのでグザビエがその男性に「写真を撮らせてもらってもいいか?」ときくと、快くOKしてくれる。



村澤さんの家に着くと、「ベッドがなくてすいません」と恐縮された。家具付きアパートのはずが、ベッドがなく、大家に言うと2週間程かかってようやくベッドの枠だけがきたが、マットがまだきていないのだという。
おいしいコーヒーをいれてもらい、4人で少しお喋りする。甲斐も私もヴェルニサージュで初めてお会いしたのだが、とても感じのいい人なので、安心して甲斐を預けて行く。